突然片耳が聞こえない!突発性難聴の症状と原因、対処法まとめ
朝起きたら片耳が詰まったような感じがする。テレビを見ていたときに突然片耳が聞こえなくなった。もしこのような場面に出くわしたら、あなたは突発性難聴になってしまったのかもしれません。突発性難聴には早めの治療が重要なので、突発性難聴の症状や原因、対処法についてご紹介します。
突発性難聴の特徴、症状とは?
突発性難聴の症状は他の病気と重なる点もあるため、まずは突発性難聴によく現れる特徴と症状について説明します。
突然、症状が現れる
突発性難聴はある日、突然発症するために、多くの患者がいつから始まったかを明確に把握している場合が多いです。
朝起きたら突然耳が聞こえない、もしくはテレビを見ていたら突然聞こえなくなるなどの異変が生じた場合、それは突発性難聴かもしれません。
片耳だけに症状が起こる
突発性難聴は多くの場合、片耳のみに発症します。
両耳に症状が見られる場合は他の病気である可能性が疑われます。
http://www.nishiyokohama.or.jp/department/pdf/otolaryngology.pdf
耳鳴りがする
突発性難聴の症状の一つに耳鳴りが挙げられます。
必ずしも耳鳴りが伴うわけではありませんが、突発性難聴の患者の約90%に耳鳴りの症状が現れています。
耳が詰まったような感じになる
耳鳴りの他に現れる症状として、耳が詰まったような感じが挙げられます。
こちらも必ずしも発症するわけではありませんが、突発性難聴の患者の約60%にこの症状が現れています。
めまいを伴う
また、突発性難聴の患者の約30%にめまいの症状が現れています。
以上が突発性難聴によく見られる特徴・症状です。
上記1つのみが発症することもあれば複合的に発症する場合もあるので、1つでも該当する症状があった場合は突発性難聴を疑ったほうが良いかもしれません。
ただし、メニエール病や騒音性難聴といったその他の病気とも症状が類似するため、上記の症状が必ずしも突発性難聴であるとは限らないことだけは頭にとどめておきましょう。
突発性難聴の原因は不明?
突発性難聴にはいくつかの原因説が唱えられていますが、明確な原因といえるものは未だに見つかっていません。
ストレスなどによる複合要因も考えられますが、現在有力な説として唱えられている3つの原因説を説明します。
内耳循環障害説
“塞栓・血栓・出血等による循環障害により、内耳に機能不全が起こるのではないかと考えられている”
どうして突然耳が聴こえなくるのか?主な原因説について【突発性難聴 ベスト・オンラインファイル】
ウイルス感染説
”難聴発作の発症が一回限りである点と前駆症状として、風邪と似たような症状を呈する事が多く、ムンプスウイルスや麻疹ウイルス・インフルエンザなどのウイルス感染により聴力の低下を引き起こす事が知られている”
どうして突然耳が聴こえなくるのか?主な原因説について【突発性難聴 ベスト・オンラインファイル】
内リンパ水腫説
”内リンパ水腫とは内耳なあるリンパ液が増えすぎることで水脹れを意味しています。
どうして内リンパ液が増えすぎるのかは、今もってわかっていませんが、リンパ液が増えると内リンパ液と外リンパ液のバランスが保てなくなるために、その付近にある蝸牛管や前庭迷路まで影響すると考えられています。”
どうして突然耳が聴こえなくるのか?主な原因説について【突発性難聴 ベスト・オンラインファイル】
重要な対処法はすぐに耳鼻科へ行くこと
それでは突発性難聴が疑われる場合、まず何をしたら良いのでしょうか?対処法と治療法について見ていきましょう。
2日以内の受診がベスト、できれば1週間以内に受診を
まったく耳が聞こえないわけではないので、受診が遅れてしまうこともあるでしょう。
ですが、突発性難聴は治りにくい病気であり、受診が遅れると聴力が戻りにくくなるので、早めの受診が何よりも重要となります。
症状が現れてから2日以内の受診が理想的ですが、できれば1週間以内に受診しましょう。
軽症の場合は内服治療が中心、重症だと入院が必要な場合も
突発性難聴の治療法は症状の重さによって異なってきます。
軽症の場合はステロイド剤などの内服治療を行います。
また、安静にし、肉体的にも精神的にも疲れを取ることが重要です。
重症の場合は入院することが必要な場合もあります。
入院の場合も同様にステロイド剤やビタミン製剤など、それぞれの患者に合わせた点滴が必要となります。
http://www.nishiyokohama.or.jp/department/pdf/otolaryngology.pdf
いかがでしたか?
もし突発性難聴に特有の症状が現れた場合は、早めに耳鼻科の診断を受けましょう。
新型課題の救世主!? コミュニケーションを支える言語聴覚士(Speech Therapist)
コミュニケーションが人間にとって、最も大切な社会生活基盤の一つとなっていることは誰も疑わないだろう。今日は、その人間にとっての重要な営みを支えるスペシャリスト「言語聴覚士」について紹介したいと思う。
コミュニケーション改善のスペシャリスト
平たく言うと言語聴覚士とは、話す、聞くといった(時にはそれさえも超えた)コミュニケーションをサポートする役割と言ってもよさそうだが、専門的な見地からは以下のように説明される。
”コミュニケーションは,聴覚器官で受け取った情報を脳の言語領域で情報処理し意味を理解したあと,そこで生まれた思考を言語記号に変換し,さらに音声として表出するため発声発語器官を動かすという流れになっている。言語聴覚士は、これらの情報の入力から出力までのどこに問題があるのかを検査・評価し,コミュニケーション改善のための指導を行う。” *1
特に、医療、福祉、教育などの現場で、何らかの事情から言葉を発したり聞き取ったりすることが困難になってしまった人のコミュニケーションを改善する仕事を担う。特に高齢化の進む近年では、摂食・嚥下(食べる・飲み込む)に関する問題や、記憶や認知に関する成人の言語障害を持つ人を対象としたケアも重要視され、言語聴覚士の担う役割も広がってきている。
まだまだ、課題も…
上記で述べたように、言語聴覚士の役割が社会にとってなくてはならない存在になっている一方、日本においては未だ言語聴覚士をめぐる様々な課題が存在している。
重要性が十分理解されていない?
言語聴覚士という資格があることを知っている人は、それほど多くないのではないだろうか。1997年から国家資格となり、比較的新しく歴史も浅いため、その重要性も世の中にはまだ十分認識されているとは言い難い。特に高齢化やストレスによって、聞こえやコミュニケーションに関する悩みを持つ人が増えていくであろう日本において、その重要性はますます高まっていくはずだ。
人手不足が深刻?
社会的認知度が低いゆえなのか、日本では圧倒的に言語聴覚士が足らないという現状がある。一般的に人口の5%(つまり現在の日本では650万人)に言語障害を持つ人が出現すると言われている。2000年時点で36000人の言語聴覚士が必要とされている状況に対し、現在でさえ27000人の言語聴覚士しかおらず、人手不足が深刻化している。アメリカでは15万人の言語聴覚士が存在し、その日本との比率(米:日)は20:1となっている。
新たな課題の救世主として
人が社会において、生き生きと自己を実現・表現するためのコミュニケーション基盤を支える言語聴覚士。物質的な豊かさを実現した日本人にとって、人とのつながりを生涯にわたって感じるためのケアはより注目されるべき新たな課題なのではないだろうか。まさにその課題に向き合う言語聴覚士の存在は今後もますます必要とされていくに違いない。
参考資料
*1
「言語聴覚士教育の現状と今後の課題」